津軽三味線とジャズ

http://tikuyu-shamisen.com/tikuzan.htm
に面白い話がある。

千空  変わりますが、純音楽的に言うなれば、津軽三味線は世界的にはジャズに近いですか。

佐藤  僕はそういうふうには思いません。よく津軽三味線はジャズのアドリブと同じだといわれますが、ジャズのアドリブは、どうでも思いつきでやればいいということではなく、約束ごとがあるんですね。三人か四人でやるでしょう。一つの曲を四小節ずつに区切って、どの小節はどの和音でというように約束がある。順番がくると、決まった和音の中で、自由に曲を変えてつくる。そのためにジャズマンは毎日稽古するわけですね。その点、津軽三味線にはきまりがなくでたらめで、どうでもその時その時で・・・。

千空  でたらめの中に秩序みたいな。しかし、竹山の三味線は世界に通用するわけですね。世界に通用するのはなぜですか。

佐藤  うーん。べつに世界に通用するというわけではないが、日本中のどこでも通用すれば、世界に通用するのではないだろうか。やはり彼のつむぎ出す音は、すごい思いというか、一音一音の中にすごい世界がこめられている。同じ音でも、楽譜のドレミファのドで、ピアノで弾こうがバイオリンで弾こうが同じ音に違いないのですが、人の解釈によって違うんですね。音に対してどれぐらい大事にして、心をこめて弾くかという、その音を元にして聴いたら、三味線を初めて聴いた人にも通ずると思うんですね。

千空  要するに、独特だということですね。