匂いフェチ
フェロモンってあると思う。セクシーな感情なり欲望を喚起する匂いは確かにある。生物学的に根拠があるかどうか知らないが、体験的にそういうのがあるのは分かる。
例えば私は、去年京都に旅行したが、そこで或る人にお会いした。書いたものの印象から想像していたよりも美しかったということもあるが、その人の独特な体臭(決して不快ではない)が刺激的で、久々に性的に惹かれるものを感じた。ちなみにその人は女性(に見える人)だった。
次の思い出は15年以上前に遡る。私が中学生の頃のことである。その頃私が恋していた男の子(同級生と、隣のクラスの子)がやはり独特な体臭だった。それは精液の匂いなのかどうか分からないが、何か性的なものを連想させ、私を惹きつけてやまなかった。
レオ・ベルサーニは、『フロイト的身体』の中でフロイトのテキストに言及しながら、視覚的なものでなく嗅覚的なものから性的な興奮にアプローチしている。確かに、嗅覚刺激の強烈さが、性的な魅了を生じさせるといったことがあるのではないか、と思う。それが性器なり精液なりの匂いなのかどうかは分からないし、生物学的な根拠があるのかどうかも分からないが、性的魅了の不思議さの成り立ちの一因ではないかと思う。
- 作者: レオベルサーニ,Leo Bersani,長原豊
- 出版社/メーカー: 青土社
- 発売日: 1999/09
- メディア: 単行本
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