脱アイデンティティの政治に向かって

性に関して、僕は一体何なのだろう? トランスに失敗し、同性愛に挫折し、抗不安剤の副作用?で性欲が消滅している。Aセクシャルとも違うだろう。クィアを名乗っていいのかどうかも分からないが、誰に遠慮がいるものか、という気持ちで「政治的クィア」を名乗っている。

僕は過去に一度だけ、大学院生の頃、自分が性的欲求の対象とするような美しい少年に出会ったことがあった。が、彼は露骨に金銭を求めてきた……。それだけが僕のゲイ人生の中で甘美な思い出だ。後は、不快と苦痛のオンパレード。到底、肯定的なアイデンティティの持ち主とは言えない。