奇妙な夢 プレカリアート・パレスチナ・選挙

プレカリ問題を議論する銀河鉄道?に乗っている。物凄い人数のPOSSEの人達がいるが、私は別グループ(パレスチナ関係?)にいる。どういうわけか、パレスチナ自治政府の選挙が行われており、本命の候補に対して、アラファト(この夢の中では生きている)が若いやくざ出身の対抗馬を立てたというニュースを聞き、興奮して、「私、…(名前失念)に投票しちゃったよ! フランス国籍を取ろうかな」(注・この夢の文脈の中では、パレスチナ選挙に投票するにはフランス国籍が必要だということになっているらしい)と口走る。列車の後ろの方の席には大量の第三世界の貧しい人達が座っていて、移民労働の非道な実態などについて話している。POSSEの人達が大勢で飲み会?に行くので私達のグループ(倉数さん?もいたような)もそれに合流しようとする。

簡単な解説

私は大学・大学院でドゥルーズという哲学者を専攻した。かれは精神分析を激しく批判した哲学者だけれども、その批判の要点は、無意識というものは世界史や地理、政治に開かれたものであって、家族関係に還元できない、ということにあった。

夢に関してもそうである。夢にも歴史・地理・政治が書き込まれている。私ははっきりと政治的なテーマが出てくる夢を見ることは珍しいのだが、今回はそうだった。

今日の夢には、大まかにいって3つの要素があるように思う。

──プレカリアート(不安定層)問題
──パレスチナ問題
──(自分が選挙権を持っていない)選挙

今日の夢を理解する背景には、こういう事情があると思う。9/2にフリーター問題を提起しているNPO法人POSSEのイベントがあり、私もそれに参加したいのだけれども、パレスチナを考える会ミーダーンのイベントと重なってしまい、出られなくなった、ということである。このことが、POSSEの大人数のグループから離れて別グループでいるという状況設定の背後にあると思われる。

次に、パレスチナ自治政府の選挙?であるが、これが解釈上よく分からない。当選確実視されている本命候補(穏健な政策を取る)がいて、それとは別に老いたるアラファト(この夢の中では生きている)が若いやくざ出身の魅力的な候補を立てた、という設定になっている。それが本命をどんどん追い上げている、という夢で、インターネットから国民登録?すれば投票できる仕組みになっていたので、私は投票したのだった。

夢の中でフランス国籍を取れば投票できる、と言われていたのはどうしてなのか、ちょっとよく分からない。

選挙に関していえば、私が都知事選に興味と熱意を持っている、という事情があり、「自分が投票権を持たない選挙」というかたちで夢に出てきたのかもしれない、と思う。

アラファトだが、この夢の中では、老いて政治の第一線からは退いたが、今なお影響力を持とうと若い候補を立てる、といった人物として現れてきている。そしてそれが多くの人達に支持されている、という文脈である。

あからさまに政治的なテーマの夢、それもわくわくさせるような解放志向の夢を見ることは少ないので、面白かった。夢は(トラウマからの反復強迫に基く不安恐怖夢など例外を除き)願望充足である、というフロイトのテーゼが実感できた。夢の中で私は政治的に行動しているわけだが、とても生き生きとし、興奮し、充実していた。現実のほうは、変革などなかなか望めない状況にあると思うが、少しでも世界と自己を変革できるように頑張りたい。