寝たきり
今日は何も出来ない一日だった。
寝たきりになって一日を過ごした。
読書はおろか、音楽を聴くことさえできなかった。
横になっているといろいろな映像が目をかすめては消える。
漫画風のものや映画風のもの、本とおぼしきもの、などなどである。
これは面白いが、病的な楽しみだという気がする。
英語やフランス語の勉強を再開したいという気持ちになるが、やはり無理だろうとも思う。
父が帰ってきて食事になるが、今日は皆寡黙である。
昨日の対話が喧嘩になったことを痛感してのことだろう。
これから入浴して寝る。
五、家族間でコミュニケーションのズレがひどい場合に、対話をするのはズレを拡大するだけです。対話をしてはなりません。永年にわたって同じコトバを使っているのに、その意味が互いにズレているのがコミュニケーションのズレの最大の原因だからです。ですから、コトバを使わないコミュニケーションから始めるのが正しいのです。「一緒に」何かをするのがよいのです。いちばん簡単なのは、一緒に食事することです。その前に円陣を作って頭の抱え合いをして「一緒」の雰囲気を作っておくと、食卓が「気持ちが溶け合った」ものになります。もう一つ有効なのはOリング・テストです。一つの目的のために二人で注意を集中して共同作業をするわけですから、かならず「一緒」の関係を育てます(第六章の連想を参照)。(
p156)
- 作者: 神田橋條治
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