[読書」「正直、日本がこんなにひどい状況とは思いませんでした。」

いじめ問題をレポートした『悪魔の教室』(ポプラ社)という本を読みましたが、この国の「いじめ」の現場はもう人間の世界ではないのですね。ですから「慈悲の瞑想」で慈悲の心を育てるとか、そんなレベルの話ではありません。人間失格ですから人間の師であるブッダには出番がないのです。動物的にサバイバルすることが先です。正直、日本がこんなにひどい状況とは思いませんでした。こんなレベルの人間を相手にするとわかっていたら、この国に来ることはなかったと思います。

これほどひどい社会は直せません。クソみたいに汚れています。直してもきりがありません。学校であろうが、政府であろうが、親であろうが、仲間であろうが、全体的にクソなので、自分で手袋をして、マスクをして、長靴をはくしかありません。そうすれば自分は安全です。日本の社会も政府も、この問題を解決するどころか「いじめる側」なので、そうやって個々人がサバイバルゲームをするしかないのです。

アルボムッレ・スマナサーラ『自殺と「いじめ」の仏教カウンセリング』(宝島社新書)、181-182ページ。