帰宅、讀書

重苦しい身の毛もよだつような夢のなかで、恐怖が最高潮に達すると、ほかならぬこの恐怖そのものが、われわれをめざめさせ、それによって夜のあの怪物はすべて退散する。それと同じことが、人生の夢でも起こるのだ。不安が最高潮に達して、われわれにこの夢を破らざるをえないように強いるときに。

白水社から出ている『ショーペンハウアー全集』第13巻、哲学小品集め(IV)、秋山英夫訳の109ページだが、『自殺について』として岩波文庫などにも入っているものの一部だが、ぼくの持っている翻訳は古いので、讀みやすい達意の文章で讀めるのは有難い。上記の比喩で彼が何を云わんとしているかは明白だが、前半の政治や法についてのリアリストというよりもペシミスティックな意見と併せ讀むと、どうもホッブズと比べたくなってしまう。「恐怖」の哲学者として、ということなのですが。

さてごはん。