散歩

久しぶりにノートパソコンを立ち上げてはてなダイアリーを更新しようとしたが、Fire Foxが起動しないので諦めた。iPhoneiPadの便利さ、快適さに慣れてしまうとパフォーマンスの悪いオンボロのパソコンには戻れない気がする。

今日は一日ずっと用事をしていたが、先程千葉銀行セブン銀行、ゆうちょ銀行に行ってきた。3度も往復したが、それだけで半日潰れてしまう。反日ではない。半日である。

セブン銀行で返済をしようとしたが、手元にあるのは一万円札だけである。若い女性の店員に、「五千円札に替えていただけませんか?」と頼んでみたが、「両替はお受けしておりません」とニベもない返事である。ムッとしたが、ここで「何だとゴルァ!」とブチ切れることはせず、千葉銀行に移動。ATMで2件支払いを済ませて、両替機で両替。再びセブン銀行に赴き返済する。

そうすると目と鼻の先に図書館があるので、序でに寄る。新着図書、リサイクル図書が来ていないのを確認し、雑誌コーナーへ。『東洋経済』、『エコノミスト』、『経済セミナー』を暫し立ち読み。意図は、浜田宏一の斉藤誠への反論を確かめることだったが、それは見つからなかった。だが、色々面白かったが。『エコノミスト』の小熊英二の読書日記の連載を覗くと、彼は最近税制や財政についての本を集中的に読んでいるようだ。

『経済セミナー』だが、「文化と経済学」という特集は今の自分の関心にぴったりである。冒頭に或る女性研究者への結構長いインタビューが載っており、彼女は行動経済学社会心理学の違いなどについて語っている。

道中、マイルス・デイビスの『サムデイ・マイ・プリンス・ウィル・カム』を聴いていた。何度聴いても実に素晴らしい。

帰宅してあれこれ処理すると、家族から、悪いがもう一度行って貰いたいとのこと。郵便局のゆうちょ銀行の自分の口座に県民共済の2千円を預け入れる。千葉銀行の父の口座に4千円預け入れる。

簡単に済ませて帰宅したが、今度はソニックユースの『ダーティ』を聴いていた。

最近の読書を整理すると、山口昌男が亡くなったので、事務所にある蔵書、『笑いと逸脱』(ちくま文庫)、『知の遠近法』(平凡社ライブラリー)、『本の神話学』(中公文庫)を再読してみた。結論から申し上げれば、少しも面白くなかった。ヨーロッパ現代精神史におけるユダヤ性がどうの、などというのは極めていかがわしい非本質的な議論だとしか思えない。唯一の収穫はカール・クラウスを想い出したことである。

山口昌男天皇論。先日、倉数茂氏が、左翼の天皇制論には民俗学的なマレビトとしての天皇という視点が欠けている、と述べていた。つまり、天皇は絶対君主か、または、ブルジョアジーの利害の代弁者か、という捉え方が主流で、宗教的次元、とりわけ民間信仰的な次元における天皇の把握が弱かった、というのである。

確かにそうかもしれないが、例えば山口昌男天皇論は倉数茂氏の指摘に沿う意見ではないか。そして、その次元を強調してどうなるのだろうか。

と、思った。そして、ヘーゲルの『歴史哲学講義』(岩波文庫)を出してきて再読しようと思った。「民主政の本質は共同体精神である」。ーー成る程。