2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

吉本花田論争についてのメモ

「花田君はファシストですよ。日本にはああいうタイプはいないが、独、伊にはあるタイプのファシストですね。」吉本隆明の『転向ファシストの詭弁』に収められている岡本潤の発言(とされているもの。「速記をといたあと」のオフレコ発言だそうだから、それ…

ビル・エヴァンス/ラスト・レコーディング

昨晩、ビル・エヴァンスの『ラスト・レコーディング』の1枚目を聴く。原題は"Consecration" (1)。目醒めて入浴しながらクロノス・カルテット・ウィズ・ロン・カーター『モンク・スイート』。それが終わったので原田節『ガーネット・ガーデン 不思議な楽器 …

何冊かの気になる本

文藝春秋から1978年に出ている『思想に強くなること』という田中美知太郎の評論集があるが、1975年8月の『戦後三十年と今後の日本』という文章に次のくだりがある。 三十年まえ、降服後の日本をどうするかということについて、当時占領軍のブレーン…

日本語で歌う冬の旅。なぜこんなに暗いの?

「日本語で歌う冬の旅。なぜこんなに暗いの?」というのは、斎藤晴彦の歌。高橋悠治のピアノでの『冬の旅』の副題だが、先程それではなく菊地雅章/ゲイリー・ピーコック/ポール・モチアンから成るテザード・ムーンの『シャンソン・ド・ピアフ』の冒頭「ア…

サムシング・アバウト・ウォーター

「内面的な、あまりに内面的な」ということで、内面的という形容が当たるかどうかわからないが、昨日一昨日仕事しながら聴いた佐藤允彦と富樫雅彦のデュオ『双晶』、藤井郷子『サムシング・アバウト・ウォーター』が大変良かった。特に後者が良かった。ぼく…

笑うショーペンハウアー

ラルフ・ヴィーナー編著・酒田健一訳『笑うショーペンハウアー』(白水社)を讀み始め、感銘を受ける。 この核心とはすなわち、アルトゥア・ショーペンハウアーはその著作のすべてにおいて骨の髄からのユーモア人間として立ち現われているということだ。思わ…

詩は滅びたが、しかし人々は……

起床。猫飛ニャン助ことスガ秀実氏のTwitterで、氏が半世紀前の友人と再会したことが書かれていた。友人は当時『現代詩手帖』か何かに投稿して第一席に入選したがその後筆を折ったと。スガ氏は友人の選択は正解だったと思う、詩が滅びたということを知らぬ人…

帰宅、讀書

重苦しい身の毛もよだつような夢のなかで、恐怖が最高潮に達すると、ほかならぬこの恐怖そのものが、われわれをめざめさせ、それによって夜のあの怪物はすべて退散する。それと同じことが、人生の夢でも起こるのだ。不安が最高潮に達して、われわれにこの夢…

ショーペンハウアー先生

いずれの人の一生も、もしこれを全体として一般的に眺めそのなかから著しい特徴だけを抜き出してみるなら、本来それはいつも一個の悲劇である。ところがこれを一つ一つ仔細に立ち入って見ていくと、喜劇の性格を帯びてくる。だいたい日ごとの営みや煩労、時…

Five birds and a monk

"Five birds and a monk"というオムニバス盤を聴く。アート・ペッパーやジョニー・グリフィンの音源が入っているようだ。今日から図書館でショーペンハウアー全集を借りて讀むことにする。楽しみだ。2ちゃんねるでは相変わらず「コピペだらけのクソブログ」…

『弱さの思想』、『エミール』

形式を整えたり何度も推敲して構成を整備するのが苦手なのでいつもながらの書き流しだが、随筆というのは筆に随(したが)うと讀み下すそうだ。まず、ヘンデルの『メサイア』から『ハレルヤ』、オスカー・ピーターソンの『ソロ!!』を聴いたほか、いま、マ…